国の特別名勝・兼六園の「坂」にスポットをあててみた。史資料に伝わる坂は11ヵ所に上った。よく知られた坂、無名に近い坂。それぞれに人との関わりが色濃くあった。名園と人と坂…、そこがいいんだなぁぁ。
金沢城石川門の前に架かる石川橋はかつて土橋だった。土橋以前は土を盛った坂道だった。坂道の前は台地と台地の間の、フラットな谷底だった。今コンクリートに覆われた「土橋坂」。その昔を掘り起こしてみた。
「城中花見の場」として桜畠は造成された。いまでもそれは楽しめるのか。そんな思いで桜の季節、金沢城本丸につづく辰巳櫓(やぐら)跡に足を運んだ。眺めはまことに結構なのだが、肝心のサクラがないっ!
W坂は幕末期に切り開かれた「新坂」で、もともとは少し上ったところにある「名無し坂」が本来のW坂だった。W坂は、石伐坂、清立寺坂などの名を経て、吹屋坂と呼ばれたころにそばに新坂ができて、そちらへ乗り移る―。
老舗の町・尾張町、そのなかから旧町名を復活させて6年目の下新町に三つの坂がある。この界隈の旦那衆が主計町、東山のお茶屋へかよった坂としても知られるが、どちらかといえば暗いイメージがつきまとった。観光の人たちでにぎわい、近年「変わった」といわれる町なかを訪ねてみた。
金沢美術工芸大学の学生有志により発刊しているフリーペーパー『RINNGO』、最新号では特集内に金沢の坂道が取り上げられている。編集部の3人に最新号のテーマ、坂道を取り上げた経緯をお聞きしてきた。
兼六園の外周・下坂にあるカラミザクラの実「さくらんぼ」がたわわに実っている。赤いさくらんぼをびっしり身にまとったサクラは、「実桜」の本領を発揮して、春とは違った風情を辺りに漂わす。
兼六園上坂の土手に咲くツバキカンザクラが30日、満開になった。ライバルの下坂のカラミザクラより一週間遅れとなったが、独特の〝抱え咲き〟や鮮やかなピンク色がことしも多くの人を魅了している。
兼六園に咲くサクラのうち、開花一番乗りを争っていた上坂のツバキカンザクラと下坂のカラミザクラによる〝春場所〟は20日、昨年につづいてカラミザクラの勝ちで千秋楽となった。
兼六園で、毎年、開花の一番乗りを争っているサクラがあるのをご存じだろうか?名園の外周・上坂(かみさか)にあるツバキカンザクラと、この坂と金沢城石川門前で接する下坂(しもさか)に咲くカラミザクラである。いま、まさに勝負のときを迎えている。
金沢の坂道散策を楽しむポイントとして、坂の上と下とで町の表情の変化を楽しむことが挙げられる。その代表である暗がり坂、石伐坂、美術の小径を紹介する。
桜坂途中にある名無し坂からの眺望の紹介。犀川の優雅な曲線美を感じ、街並みの背景に戸室山、医王山を望むことができる。