金沢の坂道コラム

カラミザクラ 開花宣言 ― 兼六園下坂

三分咲きのカラミザクラ

三分咲きのカラミザクラ


兼六園に咲くサクラのうち、開花一番乗りを争っていた上坂のツバキカンザクラと下坂のカラミザクラによる〝春場所〟は20日、昨年につづいてカラミザクラの勝ちで千秋楽となった。

ざっと数十輪、はや三分咲き

金沢市のホームページ「いいね金沢」兼六園花便りの城森順子さんに行司役を務めてもらった今場所。17日までの「つぼみ膨らむ」状態ではツバキカンザクラの優勢が伝えられていた。雨になった19日、形勢は逆転、カラミザクラが体勢をたて直して一気に「ほころぶ」へもっていった。城森さんをして「思いのほか」といわしめたほどのカラミザクラの復調ぶりだった。

ツバキカンザクラも一輪

曇り空の20日、勝敗は決まった。ツバキカンザクラは探して探してようやく一輪。城森さんのいうとおり、一輪だけ気の早いのがいた。薄いピンク色。ほかのつぼみは17日段階とそれほど変わらない「かかえ咲き」寸前の膨らみようだ。
カラミザクラははや三分咲きの様相を呈していた。開花しているのはざっと数十輪。実(サクランボ)をつける花らしく特長ある大きなしっかりした雄しべをピンと張って、灰色の空をほの白くさせていた。勝負あった!―追い詰めたものの、土俵際でうっちゃりの大逆転を食う1950年(昭和25)代の栃錦・若乃花(初代)の熱闘をツバキカンザクラに見た。


ひっそりと一輪 ツバキカンザクラ

ひっそりと一輪 ツバキカンザクラ


「純白で初々しい」と城森さん

「これで決まりネ」と城森さん。カラミザクラに軍配を上げ「純白で初々しい」。城森さんによると、カラミ、ツバキとも2週間ほど咲くが、カラミは少し早いかもしれないという。20日夕は新月。「サクラは新月から満月にかけて咲くのや」といったのは京の桜守、佐野藤右衛門だ。兼六園のサクラはこれから次つぎに花をつけていく。
それにしても、マムシ(栃錦の現役時代のあだ名)とオオカミ(若乃花の下積み時代のあだ名)の闘いは見事だった。こんなこと、山の中でしか見られないと思っていた。サカロジーやってよかったぁー。


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