新桜坂緑地の眺望もよいけど、桜坂途中にある名無し坂からの眺望はもっとおすすめ!
坂道の愉しみ方として、登った後の眺望景観を愉しむことが挙げられる。石伐坂(W坂)を登りきったところに「新桜坂緑地」があり、眺望スポットとして有名だ。
これが新桜坂緑地からの眺望。ここから犀川の流れ、片町、大工町、池田町、新竪町などを見下ろすことができる。金沢市長を平成2年から20年間務められた山出 保さんの著書「金沢の気骨—文化でまちづくり」によると、以前は坂の下に古いビルがあり、橋爪には鉄筋コンクリートの建物と料理店があって眺めを遮っていたが、これを金沢市が取得し整備することで眺望景観が一新されたとのことだ。
しかし、私は知っている。すぐ近くにもっと眺めのよいスポットがあることを。
その眺望スポットは、石伐坂(W坂)となりの桜坂途中にある名無し坂からのものである。これが桜坂。
中程を過ぎたあたりに名無し坂の石段がある。赤矢印を目指して登ろう。
名無し坂からの眺望。新桜坂緑地と比べると立っている場所から下の視界も開けているので、犀川の優雅な曲線美をより感じることができる。
そして、視線を右(東)側に移すと街並みの背景に戸室山、医王山を望めるのだ(新桜坂緑地では、右側に竹林があり、山側の景色は見えない)。
この山と川と坂が組み合わさってできる構図は、実に金沢らしいと言える。朝焼け、夕焼け時の眺望は未体験だが、美しいに違いない。近くに住みこの風景を日々眺めることのできる人を羨ましく思う。