金沢の坂道コラム

「兼六園かるた」の中で坂道について読まれた札はどれだけあるか調べてみた。

兼六園かるた

「兼六園かるた」を入手したので、48枚ある札のうち、坂道について読まれた札はどれだけあるか調べてみた。「兼六園かるた」は、20年前の1995年に発行されたもので、もはや当時手にした人が保管していない限り入手できないものである。何を隠そう私の母が作者なので実家にストックがあったのだ。

兼六園の出入口は全部で7つあり、そのうち4つの名前に「坂」が含まれている。五十音順に「桂坂口」、「上坂口」、「随身坂口」、「真弓坂口」の4つである。かるたの札に読まれているものもきっとあるはずだ。期待が高まる。

さて、開封


兼六園かるたの箱

これが「兼六園かるた」の箱。


兼六園かるた開封

空けた。読み札は、すべて五七五の韻を踏んでいる。

「兼六園かるた地図」と書かれたA4の紙も入っている。読み札に出てくる箇所をマッピングしてある。これは素晴らしい。


兼六園かるた地図

「兼六園かるた地図」には、地図とともに全ての読み札も書かれているので、「坂」の文字を探す。

1つあった!


兼六園かるた「紅(くれない)の 梅の香ほのか 随身坂(ずいしんさか)」

紅(くれない)の 梅の香ほのか 随身坂(ずいしんさか)

随身坂の入り口近くに梅林(ばいりん)があり、ここに咲く梅の花のことをうたったものだ。

兼六園・梅林 (けんろくえん・ばいりん)
紅梅、しだれ白梅など20種のウメが約200本植樹されており、開花とともに兼六園も春の様相を呈してきます。梅林は明治100年の記念事業として、1968(昭和43)年から1969(昭和44年)にかけて造成されました。大宰府天満宮や北野天満宮など梅の名所から苗木を集めて植栽し、現在は20種200本の梅があります。2月下旬、濃いピンクの「八重寒紅」から順次咲き始め、例年3月の半ばから下旬にかけてが見頃です。最も多い品種は白色一重の「白加賀」で、果樹の品種「豊後」とともに、実もたくさんつけます。6月の梅の実収穫も恒例行事です。
引用元:兼六園・梅林 ほっと石川旅ねっと

「兼六園かるた」の中で坂道について読まれた札はこの1枚のみだった。さすがに兼六園、見所が豊富である。3〜4枚はあるかなと思っていたが甘かった。しかし、この「兼六園かるた」、網羅的に園内のスポットが紹介されていておもしろい。読み札のお気に入りは、「み」の「見どころを 六つ揃えて その名あり」。幼き頃よく遊んだ「加賀郷土かるた」の中で今だに唯一おぼえている「宇吉郎 世界のトップ 雪博士」なみにキャッチーでよいのではないか。今度、「兼六園かるた地図」を持って絵札を思い浮かべながら散策しに行こう。

※ 作者である母の承諾を得て、絵札、読み札、兼六園かるた地図の写真を公開しています。


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